1 期 間 令和7年1月30日(木)から1月31日(金)まで
2 場 所 静岡県熱海市、静岡県伊東市
3 報 告 下記(1)~(2)に記載
熱海リノベーションまちづくり事業について (静岡県熱海市) |
静岡県熱海市の「熱海リノベーションまちづくり事業」は、空き店舗問題の解決に向けて、行政主導の補助金や助成金による支援から、民間が主体となる取り組みへと転換し、大きな成果を上げている。特に2011年に設立された民間まちづくり会社「株式会社machimori」は、空き店舗のリノベーションやイベントの開催を通じて、熱海銀座商店街の活性化に貢献した。その結果、2016年頃から出店者が増加し、2021年には熱海銀座商店街の空き店舗がゼロとなるなど、大きな成果を上げている。 行政による財政的な支援は一定の効果を持つが、それだけでは持続的な地域活性化は難しい。しかし、民間が主体的に動ける環境を整備することで、地域の特性を生かした独自のまちづくりが可能となり、結果的に地域全体の魅力向上につながると感じた。この取組みは、行政に頼るだけでなく、民間が地域課題の解決に向けて率先して動くことの重要性を示しているのではないだろうか。 単なるハード面の整備だけでなく、交流の場の創出や地域住民と新たな移住者の関係構築といったソフト面での取り組みも成果を生んでいる点が興味深い。行政と民間が適切に連携しながら、地域の実情に即した取り組みを進めることが、本市にとっても今後のまちづくりにおいても参考となる重要な視点になると感じた。 |
なちなかにぎわい創出事業 HIKARI TO YUKATAにぎわい創出事業について (静岡県伊東市) |
静岡県伊東市では、中心市街地の活性化と観光誘客を目的とした「HIKARI to YUKATA にぎわい演出事業」が展開されている。この事業は、夜間の街歩きを促進する「HIKARI(光)」と、浴衣文化を活用した「YUKATA(浴衣)」の二つの要素を組み合わせた取り組みである。 「HIKARI にぎわい演出事業」では、市の中心市街地を統一感のあるライトアップで彩り、「伊東温泉竹あかり」と題したイベントが開催されている。これにより、観光客の滞在時間や消費額の拡大、とりわけ「ナイトエコノミー」の拡大を図り、夜間の「まちなか活性化」につなげている。夜間の魅力を引き出すことで、昼間とは異なる伊東市の魅力を提供し、新たな観光資源として機能している点が興味深い。 一方、「YUKATA にぎわい演出事業」では、浴衣を活用し、温泉街の風情を演出することで街の賑わいを創出している。この取り組みは、温泉地ならではの風情を活かしつつ、街歩きを楽しむきっかけを提供しており、浴衣を着て歩くことで、より一層観光地らしさが強調され、写真映えの観点からも若年層を中心に注目を集める可能性が高い。 これらの取り組みは、観光客の滞在時間延長や消費額の増加、さらには地域の魅力向上に寄与している。光と浴衣という日本の伝統文化を融合させたイベントは、観光客だけでなく地元住民にも親しみやすく、地域全体の活性化につながっていると感じた。行政主導の枠を超えた地域の魅力を引き出す施策として、今後の観光まちづくりの参考になる取り組みではないだろうか。 本市でも天童温泉を中心とした景観が注目を浴びているが、今回伊東市の取組みを学び、天童市の更なるにぎわい創出に向けた学びの多い視察になった。 |