常任委員会視察報告(京都方面)
令和7年5月13日から15日にかけて、天童市議会総務教育常任委員会にて先進地への行政視察してきました。
今回は京都府福知山市、亀岡市、舞鶴市の3か所の先進事例や取組みについて学んできました。それぞれの自治体での取組みは下記に記載しますが、京都はどこに行っても人が多く、特にインバウンドで観光にいらした海外の方の多さにびっくりしました。

【視察報告書】
天童市議会総務教育常任委員会 行政視察報告書
総務教育常任委員会 委員 半田大介
| 日程 | 視察先 | 視察内容 |
| 5月13日(火) | 京都府福知山市 | 若者を中心とした投票率向上の取組みについて |
| 5月14日(水) | 京都府舞鶴市 | 保幼小中接続カリキュラムについて 小中一貫教育と教科担任制について |
| 5月15日(木) | 京都府亀岡市 | オーガニック給食の取組みについて |
(1)京都府福知山市 若者を中心とした投票率向上の取組みについて
1. 視察概要
目的:若者の投票率を向上させる各種施策の事例を学び天童市での活用可能性を探る。
対象:福知山市選挙管理委員会が実施した若年層(18-19歳をふくむ20代)向け施策
2. 背景・課題
・若年層の政治関心の低さ
・社会との接点が少なく、選挙自体に馴染みが薄い
・住民票を移していない市外進学者の投票機会減少
・投票所(投票行動)への心理的抵抗感 「どんな場所か分からない」などの不安
3. 福知山市の主な取組み
| 関心喚起策 | ・イラスト付き投票済証の配布(戦国武将・ご当地出身の明智光秀や大河ドラマ「麒麟が来る」をモチーフとした投票済証を約10,000枚作成し、期日前・当日に配付) |
| ・SNS発信 投票済証の配布情報をTwitter等で拡散し、若者の話題化を図った | |
| ・当事者体験による関心形成 大学生の選挙事務従事者雇用(福知山公立大学生を毎回14~20名採用し、会計年度任用職員として選挙事務を経験) ・投票機会の拡充 「マイナポータルぴったりサービス」の活用、不在者投票用紙のオンライン請求システムを導入し、請求件数・利用率が3回の選挙連続で上昇(R4参院選:15件→R6衆院選:31件) ・大学キャンパス内での啓発 期日前投票所設置 公立大学構内でティッシュ配布や期日前投票の案内を実施し、学生の「まず投票所を知る機会」を創出 | |
| 高校出前講座や模擬投票を行い、投票に対する心理的不安を取り除くために、実際の記載台・投票箱を持ち込み、仮想候補者への演説→模擬投票を高校で実践。高校生の「難しそう(→意外に簡単)」という声が多く寄せられたとのこと。 |
4. 視察から得られた学び
・「地元キャラクター&プレミアム感」での関心喚起
・歴史資源や地域アートを活かした配布物が若年層のSNSシェアを喚起。
・当事者経験により理解が深まる(自分ごととして)
・自らが選挙運営に関わることで、投票行動への心理的ハードルが下がる。
・オンライン手続きの利便性向上効果
・デジタルプラットフォーム活用による不在者投票のハードルの大幅な削減
・模擬投票など実体験が「選挙は難しくない」「自分も参加したい」という意識変容を促す
5. 天童市が今後検討すべき事項
・民間との協業による投票済証の効果的な活用の模索
・将棋駒キャラクターや「天童の風景」をモチーフにした投票済証の作成・配布。
・学生参画プログラムの創設
・羽陽短大などでキャンパス内投票や啓発活動
・市LINE公式アカウント、SNSなどでの呼びかけ
・高校出前講座+模擬投票の実施(選管と市議で高校を訪問し模擬投票講座を開催)
6. 結論
福知山市の取組みは、「関心喚起」「当事者経験」「心理的抵抗低減」という多面的なアプローチを行っていて、一定の成果があらわれている。天童市においても各施策の横展開や天童に合った手法が可能ではないだろうか。今後は、少子高齢化が進む中、若年層の政治参加を促す効果的な施策を検討し、今後に向けた具体的なロードマップを策定することが必要だと感じた。
(2)京都府舞鶴市 保幼小中接続カリキュラム・小中一貫教育と教科担任制について
1. 視察概要
・目的:幼児期から中学校までの教育を切れ目なく連携させ、一貫性ある学びを実現する舞鶴市の取組みを視察。
2. 背景・課題
・学力・生活適応のギャップ
小→中移行時における学習内容・学び方の変化で、不登校が見られる傾向があった。
・幼児教育との指導連続性不足
就学前の発達段階で培った主体性や遊びを生かし切れず、小学校への適応がスムーズでないケースがある。
・教員体制の専門性・協働不足
小・中で担任制から教科担任制へと指導体制が変わる際のミスマッチや教員間連携の課題。
4. 主な取組み
| 保幼小中接続カリキュラム(まいづるカリキュラム015) ・2016年3月に「乳幼児教育ビジョン」を制定し、幼保から小学校まで共通の育成目標を明文化。 ・2019年2月に0~15歳までを対象とする「まいづるカリキュラム015」を策定し、発達段階ごとの学びや体験活動を週案形式で提示。 ・研修・交流:園種・校種横断の研修会を定期開催し、教員間・保育者間の共通理解と協働を推進。 |
| 小中一貫教育 ・小中9年間連続した教育観:児童生徒を義務教育の学びの主体と捉え、発達段階に応じた系統的・継続的な指導を実施 。 ・交流・体験事業:合同野外活動、部活動体験、中学校一日入学等を通じた小学・中学の交流を促進し、自己肯定感やコミュニケーション力を育成 。 ・各種会議や教科・生徒指導・事務部会を校区単位で開催し、教員間および事務職員の兼務発令で協働体制を構築 。 |
| 小学校教科担任制 多様な子どもへの対応や教員の働き方改革の観点から、5・6年生中心に教科担任制を導入 。少人数授業との連携、中学校教員による英語・音楽・体育等の専科指導や、学年内・学期ごとの授業交換を実施 。 |
5. 成果と課題
・学びの連続性 中1ギャップの軽減、入学前の不安減少
・幼保→小連携 小1プロブレムの改善
6. 天童市が今後検討すべき事項
・幼保、低学年を対象に、天童の文化的特色を取り入れたカリキュラムを作成による郷土意識
・幼保・小中学校の教職員が共に学ぶ研修会の定期開催による横断的な連携意識醸成。
・小学校教科担任制の導入(現在一部の小学校では導入されている)による授業改善。
7. 結論
舞鶴市の取組みは、乳幼児期から中学校までを一貫した学びの場と捉え、カリキュラム策定・交流事業・教員連携・専門性強化という多角的アプローチで成果を上げつつある。
天童市においても、今後訪れるかもしれない少子化による学区再編など踏まえながら、モデル校区でのパイロット実施を行うなど、段階的に全市展開を進めることが有効と考えられる。
教育の連続性と専門性を両立させる一貫教育はこれからを担う子どもたちに必要であると感じた。
(3)京都府亀岡市 オーガニック給食の取組みについて
- 視察概要
目的:地域資源を活かした有機農業の振興策と、その成果を学校給食に展開する仕組み
- 背景・課題
環境先進都市
亀岡市では2019年にプラスチック製レジ袋提供禁止条例を施行し、SDGsや環境負荷低減を旗印に「世界に誇れる環境先進都市」を目指している 。(コンビニでもレジ袋は買うことができない、紙袋の購入で代用)
高付加価値化と担い手確保
有機食品市場の拡大を目指しており、就農希望者のうち約42%が有機農業を志望するなど、新規就農の関心が高い。
農業従事者の高齢化
2030年までに基幹的農業従事者の約45%がリタイアする見込みで、持続可能な産地形成の必要性が増している。
3. 主な取組み
オーガニックビレッジ宣言
令和5年2月に「オーガニックビレッジ」を宣言し、市内全域を有機農業拠点と位置づける。
認証制度検討
市独自の有機認証制度構築しているため、市民の関心が高い。
農業団地整備
亀岡駅北側約14haを「有機農業団地」として整備し、一元的な生産管理・流通基盤を構築。
学校給食へのオーガニック食材導入
小学校給食において令和4年度から保津小学校で有機米の提供を開始。令和6年1月からは全小学校(計8校)で有機米、ニンジン・キャベツ等の有機野菜を段階的に導入。給食センターを通じて約4,900食/日を供給している。
保育所・こども園では令和3年度に自然保育実施4園で有機野菜提供、令和4年12月から全22園で有機米、令和6年度から全園で有機野菜を提供開始 。
4.天童市が今後検討すべき事項
・地域特産品を核とした有機農業産品の生産拡大
・学校給食への段階的導入
学校給食で有機米・野菜を導入し、食農教育と連動した体験学習を実施。
・地産地消型流通基盤の構築


