議会運営委員会視察報告書(福島県伊達市)
天童市議会議会運営委員会 視察報告書
天童市議会議長 様
議会運営委員会 委員 半田 大介
日 時:令和8年1月26日
視察先:福島県伊達市
内 容:一般議案及び予算・決算審査方法について
一般議案及び予算・決算審査方法について
1. 視察目的
現在、天童市議会では予算・決算における審査方法として予算・決算特別委員会による審査が行われているが、議運による議会改革の一環として各常任委員会による分割審査への試行に向けた話し合いが進められており、分割審査方式をとっている福島県伊達市議会へ伺い、どのような違いがあり、どのような進め方で審査を行っているか視察。
2. 視察内容
伊達市議会では過去に全議員が委員となる予算決算常任委員会が設置されていたが、時間的制約などの問題があり、現在の分割方式で常任委員会での審査方法をとっているとのこと。各会派から常任委員会に委員が配置されていることから、会派内で連携を取り問題なく質疑が行われているとのこと。少数での審査となるため、審議をスムーズに進められており、過去に行われていた予算決算常任委員会での課題は解決していると考えているとのこと。
3.まとめ
今回の視察で学んだ方式を現在の本市の方式と比較した場合のメリット/デメリットをについて
| 審査方式 | メリット(期待できる点) | デメリット(これまでの課題) |
| 分割審査方式 (各常任委員会で所管別に審査) | ・所管ごと特化した深い質疑ができるため、事業目的・成果・課題・改善まで掘り下げやすい。 年間を通した委員会活動とつながり、予算→執行→決算→改善と把握しやすい ・担当部課との対面が明確で、説明責任の所在がはっきりしやすい ・委員会内で継続して課題を追いやすく提案型の審査ができる | ・横断的論点(財政全体、部局横串、優先順位、政策間比較)が薄まりやすい ・委員会ごとに論点が分散し、議会としての総括・統一見解が作りにくい場合がある可能性 ・無会派議員の質疑範囲が限定される ・日程・資料・説明の面で事務負担が増える可能性(議会事務局/執行部) |
| 特別委員会方式(予算・決算特別委員会で一括審査) | ・全体俯瞰(財政運営、重点施策、政策の優先順位)を一つの場で複眼的視点で議論するため論点が集約され、議会としての結論・要望を一本化しやすい ・無会派議員を含めた質疑機会の公平性を担保しやすい ・部課横断の課題に対し、横断的指摘をしやすい | ・一つ一つの深い議論が薄れ、時間配分の制約から質疑が浅くなりがち(総論・確認中心になりやすい) ・常任委員会の通年活動と分断し、改善の追跡(検証)が弱くなる恐れ ・委員会の構成や持ち時間配分によっては、発言が偏りやすく論点の取りこぼしが出る可能性 |
分割審査方式は、常任委員会の専門性と継続性を活かし、所管部課への深い質疑と事業改善のサイクルを回しやすい点で有効である。一方で、部課を横断した課題に対する議論の弱まりと、無会派議員の質疑機会の制約という制度的課題が顕在化しやすいと感じた。
従って、本市で試行する場合は変更ありきの進め方ではなく、これまでの特別委員会方式でどのような問題点や課題があったのかを明確にし、その課題が分割審査方式を取り入れた場合にどう解消されるのかをしっかりと目標を定め、より良い議会運営を行えるようにしなくてはならない。
令和8年度中から開始予定の分割審査試行時後は、①質疑の深さ(改善提案数・質疑の具体性)、②横断論点の扱い、③無会派を含む公平性、④事務負担、⑤市民への説明可能性(議会としての成果の見えやすさ)など指標を設け、課題を整理し、どのような形式での運用が本議会において有用かを評価する必要があるのではないだろうか。
以上

